〈大人にお薦め絵本5選 Part1〉

絵本は子どもの世界をどんどんと広げてくれるお手伝いをしてくれます。
大人のあなた、少し世界を広げて見ませんか。

この部屋では、
今まで絵本に興味がなかった
絵本は小さな子のもののような気がして手に取りにくかった・・・
そんなあなたに読んでほしい絵本を5冊ずつ紹介します。


じっくり、ゆっくり、絵を楽しみながら、
ひとつひとつの言葉からイメージを膨らませて、
大きな大きな世界を創ってください。

ここでは本のイメージは掲載しません
私が感じるままの内容をお伝えしますので、
「読んでみたい!」と思われた方は手に取ってみてください

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あなたに読んでほしい絵本 5冊 Part1

第1回目のターゲットは、
今までに絵本をあまり読んだことのない方

第1回目は、次の5冊を紹介します。

「オルゴールワールド」

にしのあきひろ(著) 幻冬舎

書店の絵本コーナーをふらっと立ち寄ったとき、パッと目に留まったある絵本の背表紙。
タイトルは「オルゴールワールド」。
以前映像で見た「オルゴールの館」が私の頭の中で一気に広がり、さまざまなオルゴールの音が鳴り響く、そんな出会いでした。
そして、思わず手に取って表紙を見ると、
この絵、すごすぎ!
と2度目の衝撃が走りました。
何とも不思議な絵、まるで「不思議の国のアリス」になった気分です。
あなたならこれらの挿絵からどんなストーリーをイメージしますか?
この絵本は活字を目で追う前に、まず挿絵を見ていろいろな想像を膨らませてほしいと思います。
そのあとに活字に目をやり、そしてまた挿絵を覗いてほしいのです。
「こんな世界が絵本の中に・・・」

でも、少しだけこの絵本を紹介しますね。
この絵本はタモリさんが発案し、それをもとにキングコングの西野さんが物語にしたものです。
上空5000メートルの空中帝国で50年も大きなラッパを作り続けているカンパネラ爺さんが主人公です。

カンパネラ爺さんは少年時代から科学がとても大好きで、学校が終わると科学塾に通い熱心に勉強し、また夜になると星空観察に夢中になっていました。そんなある日、いつものように星空観察をしていた時、望遠鏡を留めていたネジが緩んでしまい、望遠鏡が下を向いてしまったのです。カンパネラ少年がいるのは地上5000メートルの空中帝国、ふと下の世界『森』が気になり、下を向いた望遠鏡を覗き込んでみました。
大昔、人は海から生まれ森で暮らしていましたが、悪性の細菌が充満し、人が住める環境ではなくなったと言われています。「人は誰もいるはずがない」と思いながらも森を観察していたある日、一人の女の子の姿を見つけたのです。防護服も着ていません。
そこから、20年もの時が流れ、空中帝国の極秘任務として森の地質調査がされることになったのです。この任務にカンパネラも選ばれていました。カンパネラは防護服を身に纏い、森に降り立つとすぐに「あの女の子」を見つけた湖へ向かいます。
「だれだ!」
・・・ 
どうぞ楽しんでみてください。

「英語で読める 大きな木」

シェル・シルヴァスタイン(著) 村上春樹(訳) あすなろ書

表紙に書かれた「おおきな緑の木」と「緑色のシャツを着た小さな男の子」
おおきな木が「赤いリンゴ」を「赤いズボンをはいた小さな男の子」に渡しています。
どのような物語の展開を想像しますか?
その想像を頭の片隅に置きながら、お話を読んでみてください。

少しだけ、お話の始まりを紹介しますね。
ここに出てくるおおきな木は「リンゴの木」です。このリンゴの木と少年は大の親友でした。お互いがお互いのことを好きで、いつも一緒に遊びました。
しかし、少年が大人になるにつれてリンゴの木から遠ざかっていってしまいます。
ところがそんなある日、青年になった少年が「物を買うのにお金が必要だ」と言ってリンゴの木を訪ねます。リンゴの木は少年のことが大好きなので、気になっているリンゴを渡し、リンゴを町で売るように言うのです。そうすると、少年はありったけのリンゴを持って行ってしまいます。
・・・月日が流れ、大人になった少年がリンゴの木を訪ねます。今度は「ぼくに家をちょうだい」と言います。少年が大好きなリンゴの木は・・・。

小さな子どもがこの本を読んだ時の感動と、
おとなが読んだ時の感動はかなり違ってきそうです。
おとなの人が読み進めていくと、きっと自分の人生の記憶が折り重なっていく・・・
そこからとても深い深い感動が、そんな絵本の世界です。

「すべてのひとに石がひつよう」

バード・ベイラ―(著)、ピーター・パーナル(画) 河出書房新社

タイトルを読んだとき「なんでだろう」と思いませんでしたか?
「すべてのひと」「石」「ひつよう」・・・「なぜ?」
1枚ずつページをめくっていくと、その疑問が少しずつ紐解かれていきます。
「石の見つけ方のルール」があるようです。
場所は?、どうやって探すの?、形は?、色は? など。
そんな風に自分の石を見つけ出す中で、「自分の石」のイメージが膨らんでいきます。
読み終えたその日から、無意識のうちに「石」に目を向けている自分がいることに気付くでしょう。
そんな絵本の世界です。

私も小学生の時に家の近くにある山に行って石を集めたことがあります。
そこは通称「水晶谷」と呼ばれていて、土の中から水晶が見つかるのです。小さなものから大きなものまで。見つけた水晶を家に持ち帰り、宝箱にそっとしまい、また取り出しては光に充ててキラキラと輝くさまを楽しんだ、そんなことを思い出しました。

「葉っぱのフレディ」  

レオ・パスカーリア(作)、みらいなな(訳) 童話屋

「葉っぱの色」と言われれば「緑」をイメージする人は多いはず。
でも、今回の葉っぱは「黄色」
さらに「フレディ」という名前までついています

この本の著者はアメリカの著名な哲学者レオ・パスカーリア博士で、博士が生涯で生み出したたった1冊の絵本なのです。
哲学者が書いた絵本ということで、どんなイメージを持ちますか?
あなたが持つイメージを大切にしながらも、少しそれを片隅に置いておいて、どっぷりとお話の中に入ってみてください。
もしかすると明日からは、日々変化していく「葉っぱ」を見る目が変わってくるやもしれません。
自分の今後を考えるきっかけになるかもしれません

「アインシュタイン 時をかけるネズミの大冒険」

トーベン・クールマン(著・画) 金原瑞人(訳) ブロンズ新社

ネズミの冒険シリーズ第4弾です。
ネズミの冒険シリーズには、
「リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険」
「アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険」
「エジソン ネズミの海底大冒険」
があります。いずれも、ワクワクする絵本ですが、
今回はそのシリーズ第4弾、「アインシュタイン 時をかけるネズミの大冒険」を紹介します。

アインシュタインと言えば「相対性理論」。
なんとも難しい分野です。
その「アインシュタイン」と「ネズミ」にはどんな関係があるのでしょう
その鍵は表紙にある「時計」にありそうです。

この本は119ページもあります。絵本にしてはとても長いのですが、
ページを繰るごとに、次の展開が気になり、どんどんとページをめくりたくなります。
「時をかけるネズミの大冒険」というタイトルからも、時空を超えていくイメージが出てくるのではないでしょうか。
アインシュタインがどのように相対性理論を導き出したのか

さて、この物語の舞台は1985年、スイスの首都ベルン。「世界最大のチーズフェア」が行われるということで、ネズミは毎日毎日慎重にカレンダーをめくりながらその日を待ちわびています。
そして、とうとう待ちに待ったその日が来ました。ネズミは心躍らせながら会場に向かいます。が、会場に着くとなんだか様子が変です。チーズがどこにもないのです。
なんと、日にちを1日間違えてしまったのです。悔やんでも悔やみきれないネズミは、何とかチーズフェアに行くことができないかと考え始めます。
「よし、時間を戻そう」
ネズミの壮大な計画が実行されます。
さあ、ネズミは「世界最大のチーズフェア」に行くことができるのでしょうか。

この絵本の巻末には、「相対性理論とは」が説明されています。理解の難しい分野を垣間見ることができ、ぜひとも多くの人に読んでもらいたい1冊です。

いかがでしたか?
Part2に続く

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